【連載】ベストカー本誌編集委員・梅木の「ちょっとした話」 Vol.26[私が大学3年生の時。U子がレビン買ったってさ‼]
2024/02/14お待たせしました~!! シリーズ企画、ベストカー本誌編集委員・梅木智晴がお届けする「ちょっとした話」。今回は今から37年前にタイムスリップした話をお届け!
2月14日、バレンタインデーにふさわしい(!?)、男女のお話。男女の間にはクルマが割って入っていますけど(笑)。(ベストカーMate編集部B)
■私、ウメキが大学3年生の春。「私、レビン買ったの~」とU子から電話がきた!
時は今を去ること37年も前のことなんだけど、当時私は大学3年生。わが母校には短大が併設されていて、キャンパスどころか校舎も同じ場所にあって、同期の仲間に短大の女子もいたわけですよ。
短大だからして、私らが3年生になった春には彼女たちは卒業。北関東出身のU子は、いわゆるUターン就職をして実家に帰ったのでありました。
そんなU子が「私、レビン買ったの~」なんて連絡をしてきたものだから、私らクルマ好きの一派が色めき立ったのは言うまでもないことだったのでありました。
■私と大学同期の悪友、K林とスカイラインRSターボでU子の実家、北関東へ向かう!
1987年4月。そう、カローラレビンは翌月にモデルチェンジを控えた80系最末期の頃。ちょっと運転させてもらおうと、大学同期の悪友、K林と連れ立ってU子の実家へ突撃したのでした。
「しかし、なんでハチロク買ったかねぇ? U子、そんなクルマ好きだったっけ?」
「ま、でもATだって言うし、足グルマのつもりなんだろ?」
中古で買ったばかりのスカイラインRSターボの車内、道中そんな会話をしながらU子の実家へと向かったわけですよ。
久しぶりにU子に会うというよりも、興味は彼女が買ったというカローラレビン。昼飯でもご馳走して、レビン運転させてもらうってのが最大の目的だったのでありました。
■おおおおお~っ‼ たしかにレビンだ。だがしかし……!?
待ち合わせのファミレスに着くと、そこには確かにレビンがとまっていた。でも、なんか地味なんだよなぁ。2ドアクーペでツートンでもないし、えっ? GT???? いやいや、GTにATはないし。でも、ATがあるGT APEXって雰囲気じゃあない……。
「これ、私のレビン。ライムだよ~」。満面の笑みでU子は愛車の紹介をしてくれた。
ぐおおおおお! レビンはレビンでも、「ハチゴー」か‼ そう来たかぁ。
でも、新車買って嬉しそうなU子を前に、こっちの勝手な期待外れを見せてはいけない。私とK林は「お~、いいねぇ。2ドアのレビン、カッコいいじゃん!」とピカピカの新車を褒めあげて、ちょっと運転させてよ‼ とドライブに出た。
■3A型、直列4気筒SOHCエンジン搭載。「でもハチゴー、案外悪くないぞ!」
そう、あの時代、レビンやトレノって、クルマ好きのための尖ったスポーツモデルだけということでもなく、若者がわりと気軽に買えるちょっとスポーティな2ドアクーペってな立ち位置だったのだ。
レビンの1.5Lエンジン搭載車は形式名AE85で、「ハチゴー」なんて呼ばれていた。3A型、直列4気筒SOHCエンジンだったな。
4A-G積んだAE86があったし、先代型TE71時代からレビン/トレノと言えばDOHCエンジン積んだスポーツクーペというのが存在意義のように思っていたから、ハチゴーは廉価版のショボいレビンみたいなイメージになっちゃっていた。
けど、U子のライムを運転してみたら、案外軽快なフットワークで、後輪駆動だから当時のFF車にありがちだったトルクステアもないし、悪くないじゃん! とK林と意見が一致したのだった。
■「ハチゴー」ライムはATで、タコメーターもないけど「ダウンヒルならいけるかも?」
ま、そうはいってもグロス130psの4A-Gに対しハチゴーの3Aエンジンはグロス85psにすぎないし、ATだし、ライムにはタコメーターもないんだけど、それでもダウンヒルならいけるかも? なんて妄想を抱いたりもしたものだ。
あの当時は「女性向け仕様」なんてのがラインナップされていて、レビンではライム、トレノにはリセというモデルがあったのだ。GTやGTVにはなかったパワステも付いていたな、たしか。
なーんて、37年も前の話をふと思い出したのでありました。ホント、何の役にも立たない「ちょっとした話」ですんません。(ベストカー本誌編集委員・梅木智晴)