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【連載】ベストカー本誌編集委員・梅木の「ちょっとした話」 Vol.25[住宅街に突如設置された騒音計と振動計って何???]

 シリーズ開始からついに25回目を迎えた、ベストカー本誌編集委員・梅木智晴の「ちょっとした話」。今回も「なるほど~」と思える内容で、ちょっとした知識も自然と付いてきちゃいます。(ベストカーMate編集部B

 ■練馬区の住宅街を歩いていたら、何やら不思議な看板と、騒音計と振動計発見!

 私の自宅近所、東京都練馬区の住宅街をプラプラ散歩していたところ、何やら不思議な看板を発見。傍らには工事現場などで見かける、電光表示の騒音計と振動計が設置されている。

 上の写真がそれで、横に立っていた係の人に許可を取って写真撮影したものです。

 周囲を見渡しても、特に工事現場の雰囲気はない。「なんじゃなんじゃ???」。好奇心旺盛な私は何やら書いてある立て看板を覗き込む。なになになに~。「グリルドは今この付近にいます」……とな!?

■この下で今、外環道のトンネルが掘り進められているのね‼ シールドマシン大活躍中

  なるほど! これ、外環道のトンネル掘削工事の現場だったのだ。この地点の真下、おそらく40mほどの地下にトンネルを掘り進めるシールドマシンがいて、その工事が地上において基準値以下の振動や騒音であることを確認し、周辺の住民にそれを伝えているってことのようだ。

 上の写真がシールドマシンで(「東京外環プロジェクト」ホームページより)、大泉JCTから南行きトンネル地下への搬入時の写真。

 外環道のトンネル工事といえば、202010月に調布市内で陥没事故が発生した。よりいっそうの慎重な工事が求められることは言うまでもないからね。

 また、下の写真も同じシールドマシン。よ~く見ると、4人ほど写っているけど、その巨大さには驚くばかり!

■総延長19.1kmのトンネルを両側から掘り進め、シールドマシンは合計4機!

 これに興味を持ったのでちょっと調べてみると、この工事、関越道との接続点の大泉ジャンクション(JCT)から中央道とのJCTを経て東名高速との接続点(東名JCT)の延長19.1㎞を掘り進めるプロジェクト……とのこと。

 シールドマシンは南行きトンネル、北行きトンネルそれぞれ大泉JCT側からと東名JCT側から合計4機で掘り進めているもよう。

 そして、冒頭に書いた「グリルド」って何? と思ったら、シールドマシンの名前。掘り進めている4機の名前を紹介すると……。

・大泉JCT側南行きトンネル:グリルド
・大泉JCT側北行きトンネル:カラッキィー
・東名JCT側南行きトンネル:みどりんぐ
・東名JCT側北行きトンネル:がるるん

 ……ちょっと、和みますね。

■4階建てビルほどの高さの円柱が、地下40mで穴を掘りながら進んでいるんです!

 ちなみに、上写真は関越道とのジャンクション工事が進む、大泉インター付近の様子。

 最後にシールドマシンの簡単なスペックを。外径16.1mで機長約15m、総重量約4000トンだという。ザックリと4階建てビルくらいの高さの円柱が地下40mで穴を掘りながら進んでいるってこと。

 掘り進める速度は分速2㎝程度だという。1時間で1m20cm進むのね。これが速いのか遅いのかはまったくイメージできないんだけど、なんか凄い。

 ……で、冒頭の現場に戻るわけだけど、この地下にいるのは「グリルド」君。看板には大泉JCT側から掘り進めて1873mの地点だと書いてある。

 分速2㎝だから稼働時間93650分ってことで、つまり約1561時間だから65日分。もちろん連続稼働しているわけではないだろうから、もっと日数は要しているのだろうが、こうして計算してみると、案外掘り進む速度って速いんだな、と思うのでありました。