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【連載】ベストカー本誌編集委員・梅木の「ちょっとした話」 Vol.21[まだまだ続く! ベストカー恒例の雪道取材ウラ話・その4]

 「ベストカー本誌恒例の『雪道取材』は修行の連続なのだ‼」。こうアツく語るのはベストカー本誌編集委員・梅木智晴。

 毎週水曜日公開のこの「ちょっとした話」シリーズで、過去3回にわたりベストカー本誌の「雪道取材」の裏話や苦闘話(!?)をお届けしたけど、どうやら、まだ語り足らないようです、編集委員・梅木は!

 ということで「雪道取材ウラ話・その4」、いってみよう!(ベストカーMate編集部B

■フツーに雪道を走っての評価記事だけでは面白味がないので、毎年工夫を凝らして……。で、2015年は初代MIRAIの登場だ!

 ここまで3回にわたり、お話してきた「雪道取材」なんだけど、少しでも読者のみなさまに有益かつ面白い情報をお届けしようと、毎年、あれこれ工夫を凝らして現場取材を実施しているわけです。

 象徴的なのが201512月の雪取材。今でもよく覚えています。

 ちょうどこの年にベストカー社用車として導入したMIRAI(初代)を雪道で試そう! と、私、ウメキは思い立ったのでありました。最新の燃料電池車にスタッドレスタイヤを履かせて雪道での走りを試す。絵面だけでも面白そうじゃん‼ と。

 でも、201512月当時、水素ステーションは今よりも圧倒的に少なくて、北限は埼玉県春日部市。雪取材のテストフィールド、群馬県の「群サイ」は群馬県北部なので、ま、都内を出たら水素補給はできないと思って計画を立てなければならない、という感じ。

■最新技術の塊、トヨタMIRAI(初代)だが、「車内ヒーターを使えないこと必至」。それを運転したのが私、ウメキ

 MIRAIのワンタンク航続距離は約400km。編集部から群サイまでは片道170kmほどなので計算上は往復できるのだが、往路の関越道は基本的に上り坂。

 燃費は平坦路だと115120km/kgというデータだが、テストコースなどで全開加速を繰り返すと、なんと20km/kgあたりまで落ち込むことも確認ずみ。さらに、ヒーターを使うと急激に電力使用量が大きくなって、燃費が悪化することもわかっている。

 そんなMIRAI、誰が乗っていく!? って話になるんだけど、「そりゃ言い出しっぺのウメキだろ、当然」と皆の視線が痛いほど突き刺さる。ま、私としては「望むところよ‼」なわけですが……。

■ヒーター使わず、手がかじかみ……。極寒の車内で耐えて耐えて、残りの後続可能距離は239kmという凄い数字。バンザ~イ!!

  早朝の関越道。外気温マイナス3℃なんだけど、当然ヒーターはOFFONにすると航続可能距離が一気に減るので…!)。一番左の車線を80km/hクルコンで淡々と走るんだけど、ドライバーの私はダウンを着込んで毛糸の帽子で完全防備(笑)。

 ドライビンググローブも用意したけど、ステアリングヒーターはさほど航続可能距離に影響しないようなので、グローブはやめておいた。最新技術を結集した燃料電池車だというのに、クルマの室内は冷蔵庫……というより冷凍庫状態(涙)。

 ここで水素を使いすぎてしまうと、帰路がヤバいので、とにかく省エネに徹する。ステアリングヒーターを使っていても手の甲が冷たく、手がかじかむ。でも、ここで室内用ヒーターを使うわけにはいかないのだ。とほほ。

 結局、群サイ到着時の燃費は93.5km/kgで残り後続可能距離は239kmという表示。ウメキ、頑張りましたぁ! 帰路は下り坂なので、燃費は120km/kgは出るだろう。群サイでグリグリ全開テストをやっても大丈夫……。だろう。

 ということで、最終的には後続可能距離98km残して東京・練馬インター近くの水素ステーションにたどり着けたので、往路でヒーター使っても大丈夫だったかな? というのは結果論。有益なデータが取れた取材でありました。

 上の写真はMIRAIを含めてみんなで記念写真! ホンダS660の姿も見えますね~。(ベストトカー本誌編集委員・梅木智晴)