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【編集後記】へぇ~なトリビア話がテンコ盛り。ベストカーMate「日産ヘリテージコレクション・イベント」レポート

 楽しい時間はアッという間にすぎる、というのはよくある話ですが、このイベントがまさにそうでした~。2023710日(月)に開催された、日産自動車座間事業所内の「日産ヘリテージコレクション」を見学する「ベストカーMateツアーイベント」のことです。

 今見ていただいているベストカーMateを通じてイベントへの参加希望をご応募いただき、今回は抽選でベストカーMate会員の20名の方に参加していただきました。残念ながら抽選にもれた会員のみなさま、次回、機会がありましたらぜひともご応募ください~。

■貴重な日産車が約300台も展示。ここはまさに「クルマ好きの桃源郷や~」

 日産ヘリテージコレクションとは、歴代の日産車約300台が収蔵された展示施設。約5600㎡の展示スペースがあり、1933年登場のダットサン12型フェートンから2010年登場の初代リーフまでがズラリと並んでいる。それに加え、日産の歴代モータースポーツ車両も! 日産好きはもちろん「クルマ好きの桃源郷」といった雰囲気が漂っています。

 当日はナビゲーター役としてベストカーでおなじみの自動車評論家の鈴木直也さんと竹岡圭さんも参加。参加されたみなさんと記念撮影するなど交流を深めていました。

 イベントは20分ほどの「日産自動車の歴史」の動画鑑賞からスタート。これを見終えて、日産ヘリテージコレクションの見学ツアーが開始。

 展示車両を説明していただくのは、日産アーカイブスでキュレーター(博物館専門職員)を務める荒川幸隆さん。日産自動車・現役時代は日産自動車実験部に在籍していたというエキスパート。すべての日産車を深く・濃く知る方で、ふだんの見学では荒川さんが登場することはほぼないという。そういう意味でも、今回はまさにスペシャル・イベントなのです!

■「ここにあるクルマの75%は、1週間で走らせることができますよ」。マジですか~

 日産ヘリテージコレクション内に展示される約300台の半分ほどは、一般の方からの寄贈品とのこと。さらに、「ここにあるクルマの75%は、1週間もあれば整備して走らせることができますよ」と荒川さん。マジですか~。4050年前の個体も走るなんて、夢がありすぎです!

 さぁ、ここからはどんなクルマが展示されていたのかをご紹介しましょう。お見せしたい写真がたんまりあるので、写真メインでお届けしたいと思います。ちなみに、写真左側のマスク姿の人が展示車両を説明していただいた荒川幸隆さんです。

■皇太子殿下がお乗りになられたプリンスセダンが目の前に! 感動しました

 1930年代から2010年にかけて、日産車がズラリと並んでいる全体の展示構成になっており、会場内に入り、まず目に入ってきたのが「プリンスセダン」(1952年)。車名のプリンスは、明仁親王殿下の立太子の礼にちなんで命名されたものです。

 その後の1954年、東京・日比谷公園で開催された「第1回全日本自動車ショウ」で、皇太子殿下の目にとまったことでご購入の運びとなり、そのプリンスセダンがまさに目の前にあるモデル。凄い! としか言いようがないです(写真上)。

■GT-RのエンブレムのRの文字。赤色ですよね? いえいえ、最初は黄色でした。再び「マジですかぁ!」

 初代スカイラインを前に解説の荒川さんがこう語り始め、驚きましたよ~。「スカイラインという車名、桜井眞一郎氏が命名したと言われますが、それは違うのです。日産の重役会議で決めました。当初は『スカイウェイ』というのが車名の候補。これも悪くないけど、ある重役が『ン』で終わるのが言葉の響きがいいと発言し、『スカイライン』になったという経緯があります」。

 なるほど~。それは知りませんでした。

 続けて目の前にあるのが初代スカイラインGT-R。ここでも荒川さんからトリビア的な話が! 「GT-RのエンブレムのRの文字。一般的に赤色と思われていますが、初代はこのとおり黄色です! また、地の赤色のところはチェッカーフラッグを模した立体感な作りになっています。当時はこのように小さなところにも時間とお金をかけていたんですね~」とユーモアを交えて語る荒川さん。

■ちなみに、『ケンメリ』のTシャツは……30万枚も売れたのです。これは凄すぎる!

 当然ながら4代目スカイラインも展示。愛称は「ケンメリ」。「ケンとメリーの2人がこのクルマで旅をする……というCM設定で、1年間4シーズンCMを製作し、流していたという贅沢さでした。当時は4年間でフルモデルチェンジというのが多く、このモデルもそう。なので、合計16本のCMが流れたことになりますね」と荒川さん。

 この4年間で約66万台も販売され、スカイラインという名前がつくモデルで史上最も売れたモデルだそうです。

「開発費を含めて完璧にペイできたモデルですね。ちなみに『ケンメリ』のTシャツも30万枚も売れるほどの大人気でした」。『ケンメリ』Tシャツ、復刻版が出たら売れるかも!?

 ■ソニーへ「問題ないですか?」とお伺いをたてたサニーの名称

 今見ても「なんだか、いいね~」という印象なのが初代マーチ(上写真)。一般公募で車名が決まったということで有名ですけど、日産サニーも一般公募で決まったクルマです。

 ここでも、荒川さんがマメ知識を発動。「当時、サニーという名前で決まりかけた時に、ソニーに語感が似ているので、ソニーさんへ『問題ないですか?』と事前にお伺いをたてて正式に決まったという経緯があります」。へぇ~、なるほど~な話ですね。

 国内外のモータースポーツで活躍した日産車モデルも大多数展示。この数には圧倒されましたが、下写真で紹介するのが、ダットサン240Z1973年。サファリラリー総合優勝車)。フロント右側の破損が激戦を物語っており、味わい深いです。

 この個体をはじめ、当時のラリー車のボンネットにナンバープレートがあるのは、アフリカ大陸へ車両を運ぶ際、ナンバープレートを設置すれば関税を払わずにすむから……だそうです。なるほど~。ちなみに、ナンバープレートの「TKS」は東京・品川の略。

■お客様用ロッカーに歴代モデルの写真が! こんなこだわりがステキです

  ……ということで、ベストカーMate「日産ヘリテージコレクション・ツアーイベント」のレポートをお届けしました~。

 冒頭、「楽しい時間はアッという間にすぎる」と書いたのは、今回のイベント、2時間では収まりきらず、後半は駆け足の車両紹介になってしまったからです(汗)。充実した時間が経つのは実に早い! 駆け足で解説していただいた荒川さん、ありがとうございました~。

 ちなみに上写真は、日産ヘリテージコレクションのゲストホールにあるお客様用ロッカー。それぞれに日産車の写真と車名があり、気分盛り上がりますよね!

 この日のイベント参加者。遠方からは仙台市、金沢市、名古屋市から来ていただいた方がおり、ベストカーMate編集部としては感謝・感謝でございます。

 日産ヘリテージコレクションでは、一般見学を随時開催していますので、下にあるURLをポチッとしてくださいませ。(ベストカーMate編集部B

 https://www2.nissan.co.jp/HERITAGE/